「立派な結果を残すから、黙って見ててほしい」——息子の言葉が現実になった3日間

人生・気づき

9月10日、朝3時30分。

息子の応援のため、青森県十和田市へ向けて出発した。

福島県から先を自分で車で走ったことはなかったので多少の不安はあったが、特に大きな問題もなく、約8時間で無事に到着することができた。

初めて走る道。
初めて見る景色。

長い道のりではあったが、今まで見たことのない景色を見ることができたことも、今回の遠征の一つの経験になったと思う。

到着してからまず会場を確認し、その後、宿へ向かった。

今回の宿は、昔ながらの雰囲気のところだった。

こういうところを選ぶのは、いかにも妻らしい(笑)。

自分一人で泊まる時は、どうしても「安ければいいか」と考えてしまう。

しかし、部屋にはお風呂もトイレもなく、そのたびに部屋の外へ。
鏡すらなく、Wi-Fiありと書いてあったものの、まともにつながるのはフロント付近だけ。

「なんか俺、いつもこんな役回りだなぁ……」

そんなことも思ってしまった(笑)。

8月には家族全員で息子の応援のため和歌山へ行き、かなりお金も使った。

今回は自分一人。

できるだけお金をかけずに息子を応援する、という目的だったので宿については仕方がない部分もある。

食事も、持っていったものを中心にして、できるだけお金を使わずに過ごした。

ただ今回、一つ勉強になった。

安く済ませることは大切だけれど、最低限必要なものまで削ってしまうと、やっぱりしんどい(笑)。

次からは、その辺もしっかり考えようと思う。

しかし、今回の目的は自分が楽しむことではない。

息子の応援に来た。

だから、そこに集中しようと思った。

大会を迎える前、息子から言われた言葉がある。

「立派な結果を残すから、黙って見ててほしい」

今までの自分だったら、

「ああした方がいい」
「こうした方がいい」

と言ってしまっていたかもしれない。

でも今回は、できるだけ言わないようにした。

息子が自分で考え、自分で戦う。

だったら親である自分にできることは一つ。

全力で応援すること。

ちなみに会場で、自分以上に大きな声を出していた人はいなかったと思う(笑)。

その声が届いたのかどうかは分からない。

でも、息子は素晴らしい結果を残してくれた。

今回の大会で、特に心に残った一戦がある。

団体決勝トーナメント準決勝。
熊本県代表チームとの一戦だった。

息子の対戦相手は、中学3年生の時に勝って以来、勝つことができていなかった相手。

息子はもちろん、相手の選手も息子との対戦を熱望していたという。

互いに二陣戦。

いろいろな思いが詰まった一戦だったと思う。

そして結果は——

息子の勝利。

本当にギリギリの勝負だった。

勝った瞬間、息子がいつも以上に喜んでいる姿が見えた。

その勝利でチームにも勢いがついたのか、結果は4対1。

決勝進出を決めた。

正直、自分は息子の勝利がなかったら、大将戦までもつれていたのではないかと思っている。

それだけチーム全体に勢いを与えた、大きな一勝だった。

そして相手の選手が、普段あまり見せないような悔しがる姿を見せていた。

それを見た時、この一戦にかけていたのは息子だけではなかったんだと思った。

自分の中にも込み上げてくるものがあった。

でも、まだ個人戦も残っている。

ここで自分まで感情を出してはいけないと思い、できるだけ平常心を装った。

それでも、この一戦はずっと心に残ると思う。

そして決勝戦。

相手は、8月に和歌山で行われたインターハイで惜敗した相手だった。

またこの相手と最後に戦う。

そこにも何か運命のようなものを感じた。

結果は——

5対0。

完勝だった。

インターハイの借りを返すことができた。

これまで何度も優勝候補と言われながら、なかなか優勝という結果に届かなかった。

それが最後の大会で、ついに優勝。

有終の美を飾ることができた。

大会後の写真撮影では、準決勝で戦った選手とも一緒に写真を撮ってもらった。

そして、息子とのツーショットも撮ってもらった。

また一つ、自分にとって大切な宝物をもらった気がする。

ただ——

「一生の宝物」とは、まだ言わないでおこうと思う。

一生の宝物にしてしまったら、これから先、もっと素晴らしい宝物をもらえなくなってしまいそうだから(笑)。

だから今は、

大切な宝物を一つもらった。

そう言わせてもらおうと思う。

そして今回、何より心に残ったのは、大会前に息子が言った言葉だった。

「立派な結果を残すから、黙って見ててほしい」

息子は今まで、「こうする」「絶対こうなる」ということを、あまり口にするタイプではなかった。

自分が言った通りの結果にならなかったらどうしよう。

そんなことを考えてしまうタイプなのだと思う。

でも今回は違った。

自分の口で言った。

そして、その言葉を現実にした。

今回の息子を見ていて、自分も考えさせられた。

結果がどうなるかは誰にも分からない。

それでも、

「こうなりたい」
「こうする」

という思いを強く持つことは、とても大切なのではないか。

そして、それを言葉にすることも大切なのかもしれない。

言葉にしたから必ず叶う、という簡単な話ではない。

でも、強く思い、言葉にし、そのために努力する。

そうすることで、自分自身がその方向へ向かっていくのではないだろうか。

もしかしたら、周りからもその方向へ導いていただけるのかもしれない。

今回、自分は息子を応援するために十和田まで行った。

しかし振り返ってみると、

応援しに行った自分の方が、息子からたくさんのものをもらった3日間だった。

帰り道は、さすがに疲れもたまっていた。

それでも何とか無事に自宅までたどり着くことができた。

初めて見る景色。
息子の勝利。
仲間との優勝。
ライバルとの一戦。
そして、息子が自分の言葉を現実にした姿。

今回感じたことを、今度は自分自身のこれからに生かしていきたい。

自分もまだ47歳。

やりたいことも、挑戦したいこともある。

だったら、どうなるかを心配する前に、

まず強く思う。
そして言葉にする。
そのために動く。

息子から教えてもらったことを、自分自身の力に変えていきたい。

本当にいろいろなことを学ばせてもらった3日間だった。

最後に、この3日間を一言で表すなら——

「ありがとう」

息子にも。
仲間にも。
対戦相手にも。
応援させてもらえたことにも。
そして無事に帰ってこられたことにも。

ありがとうと、たくさん言いたい3日間になった。

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